無量山 引接院 正覚寺

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住職三分法話

住職三分法話⑤

令和2年6月18日 観音講  住職三分法話⑤

 

『罪を犯して極楽へ?』

 

「極楽に行ける人は罪を犯した人です」

これは、法然上人のお言葉です。

一瞬、なぜ?と戸惑うようなお言葉ですが、間違いなく法然上人のお言葉です。

仏教の常識では罪を犯した人は地獄に行くのが当たり前です。

子供の頃親に「悪い事をしたり、嘘をついたら地獄に落ちるよ!」とよく叱られたものです。

それと真逆のことを法然上人がおっしゃるとは??

毎朝のお勤めで法然上人の御法語を読ませていただきますが、二か月に一度このお言葉を拝読する度に初めてこのお言葉を目にした時の戸惑いを思い出します。

しかしこのお言葉には続きがあります。

「極楽に行ける人は罪を犯した人です。罪を犯せば本来は地獄に落ちます。しかし罪を犯すことで地獄行きの自身に気づき、どうか救ってくださいと阿弥陀仏にすがり念仏を称える。だから罪を犯した人も極楽へ救われる。こんな嬉しく有難いことはないという思いから日々念仏を称える人となり、極楽へ往くことが決定(けつじょう)するのです」と。

このお言葉は 人は誰でも罪を犯しますが、その罪と向き合い、自身の愚かさを認めて悔い改めて懴悔することが大切です。阿弥陀さまどうか極楽へ救ってください!という思いで念仏を称えましょう。という法然上人からのメッセージだと私は受け止めています。

今から約800年前にもこの法然上人の言葉に救われた方がおられました。正覚寺の寺務所前にねぶたとして祀られている熊谷直実(くまがいなおざね)公です。

直実公は平安時代に源平の合戦で活躍した源氏を代表する荒武者です。直実公は武士の生業(なりわい)とはいえ、これまで数々の人の命を殺(あや)めてきた自分は間違いなく後生は地獄行きだと覚悟を決めていましたが、ある時法然上人を訪ねた時のことです。

法然上人から人殺しという罪を犯したとしても、心から悔い改め、阿弥陀仏の救いを信じ、念仏を称えたならば、必ず後生は極楽へ阿弥陀仏は救ってくれます。という言葉を聞き、

「私は多くの人を殺してきたので、手足を切って命を捨てても後生は地獄行きと思っていました。それなのに阿弥陀仏はこんな私も救ってくださるとはなんとも有難い・・」とその場で大きな体を丸めて泣き崩れたそうです。その後、直実公は武士を辞め法然上人の弟子となり、日々「南無阿弥陀仏」と念仏を称える僧侶となりました。

まさに自身が犯した罪が縁となって念仏を称える人となった直実公のように、己を見つめて、本来地獄行きの自分と思い、日々念仏と共に精進してまいりたいものです。

同称十念

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熊谷直実公と阿弥陀仏

 

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