浄土宗の法要⑪ ~修正会(しゅしょうえ)~
住職三分法話72 令和7年12月1日
新年を祝う為に正月に修する法会を『修正会』といいますが、浄土宗において『修正会』は単なる年始のお祝いの法要ではありません。阿弥陀様の前で自らの一年を振り返り、自身の行いを懴悔(さんげ)し、今年一年の目標を阿弥陀様の前で誓う為の法要です。まさにこれまでの自身の至らない箇所を修正(しゅうせい)する良い機会が一年の始めに行う『修正会』です。
『一年の計は元旦にあり』ともいうように年の初めに今年の目標を立てる人は多いと思いますが、その目標が達成できたかどうかを振り返ることができる人は多くはないように思います。年の終わりの頃には年始に立てた目標をすっかり忘れてしまうこともあるかもしれません。
人間の意志(心)は弱く記憶がおぼつかないのは、人間には煩悩があるからだと仏教を説かれたお釈迦様は仰せです。
その煩悩を打ち消す為に毎年、大晦日にはお寺で除夜の鐘が鳴らされますが、実際に除夜の鐘を聞いて煩悩が消えることはなく、年を重ねるごとに煩悩は増えているようにも思えます。お釈迦様はそのようなことはお見通しで、「人は煩悩を完全に取り除くことはできないが、目標を持って煩悩を打ち消すように努力することは大切です。」と仰せです。
浄土宗を開かれた法然上人も「煩悩を打ち消そうと思って念仏を称えることは、生まれ持った目や鼻を切り捨てるようなもので、煩悩をかかえたまま念仏を称えて良いのです。そのままのあなたを阿弥陀様は救ってくださいます。心は念仏を称える中で自然と少しずつ育つものです。」と仰せです。
『修正会』で自身を懴悔し目標を立てることはとても大事なことですが、お釈迦様や法然上人が仰せの通り、私達は煩悩から逃れることができない愚者であることを自覚し、謙虚な気持ちでお念仏を称え、少しでも目標に近づけるように日々努力していくことを誓うのが『修正会』の真の目的です。
合掌。
※正覚寺では毎年1月1日10時より『修正会』を行っております。

