住職三分法話⑯
令和3年4月1日 住職三分法話⑯
仏様と共に
浄土宗のお勤め最初にはお香をたき、身と心を清め(香偈)、仏教徒としての三宝に帰依し心を整えます(三宝礼)。
次にいよいよ道場に仏さま方をお迎えするのが『三奉請(さんぶじょう)』です。仏様方にどうかこの道場に来て下さいとお願いの気持を込めてお称えします。
奉請 弥陀世尊 入道場 (ぶじょう みだせそん にゅうどうじょう)
奉請 釈迦如来 入道場 (ぶじょう しゃかにょらい にゅうどうじょう)
奉請 十方如来 入道場 (ぶじょう じっぽうにょらい にゅうどうじょう)
《意訳》
阿弥陀様にお願いいたします どうぞこの修行の場においでください
お釈迦様にお願いいたします どうぞこの修行の場においでください
あらゆる世界の仏様にお願いいたします どうぞこの修行の場においでください
では阿弥陀様やお釈迦様やあらゆる世界の仏様をこの道場(自分がいる場所)にお迎えするのはなぜでしょうか?
それは私達は一人でお勤め(修行)をしようと思っても、なかなか心が定まらず、必要のない事を考えてしまいます。
しかし目の前に阿弥陀様やあらゆる仏様が来てくださり、私を見守り、共にこの場に居てくださることで、散乱する心が定まり、
お勤め(修行)に集中させていただくことができます。それが『三奉請』をお称えする理由です。
1人では前に進めないことでも、共に歩んでくれる方がいることで力が湧いてきます。
法然上人は「お念佛を申して生きていく人は常に阿弥陀様が護(まも)ってくださる」とおっしゃいました。
いつでもどこでも仏様が寄り添っていてくれる安心感。孤独を感じた時もお勤めをしてお念仏を称えれば、阿弥陀様、あらゆる仏様、法然上人、
そして亡き大切な方が寄り添って見守ってくれている気持ちになります。
たとえ、そのようなことが信じられない時があっても、毎日お念佛を称え、お勤めを続けていくうちに、必ず信じられる瞬間があるかも知れません。
疑うよりも、今日も仏様は見守っていてくださると信じて「なむあみだぶつ」をお称えしてまいりたいと思います。
同称十念