住職三分法話㉓
住職三分法話㉓
令和3年11月1日
「共生」とは共に極楽へ往生
衆生無辺誓願度(しゅじょうむへんせいがんど)
煩悩無辺誓願断(ぼんのうむへんせいがんだん)
法門無尽誓願知(ほうもんむじんせいがんち)
無上菩提誓願証(むじょうぼだいせいがんしょう)
自他法界同利益(じたほうかいどうりやく)
共生極楽成仏道(ぐしょうごくらくじょうぶつどう)
<意訳>
生きとし生けるものは数えようもなく多くても全ての者が成仏することを願います。
わずらい・悩み・迷いは限りなくても全てを断ち切りたいと願います。
仏の教えは数え尽くせないほど多くてもそれを知り理解したいと願います。
さとりの道はこの上もなく遠いものであっても必ずそれを体得すると願います。
生きとし生けるものすべてが自分も他人も等しく利益を得て共に極楽浄土に往生し
成仏いたしますように。
『総願偈(そうがんげ)』というこのお経はお勤めの後半に読むお経で、浄土宗以外
の仏教の各宗派でも多少の語句の違いはありますが共有されているお経です。
なぜ各宗派で読まれるかというと仏教の共通の教えである「すべての者を救いたい」
という誓いがなされているからです。
特に浄土宗では、最初の「衆生無辺誓願度」にその想いが込められ、その後に自身の
仏道に対する覚悟を述べ、最後に「共生極楽成仏道」と共に極楽浄土へ往生するよう
に願います。
自分自身だけでなく全ての他の方々が共に極楽浄土へ往生し、共に仏に成ることを
目指すことを願うお経です。
我々仏教徒の最終目標は成仏。仏に成ることです。それを成し遂げるためには極楽
に生まれる事が、必要不可欠であり、その方法は「なむあみだぶつ」とお念仏を
称えることのみです。
自分だけではなく 「念仏を称える者全て救う」という阿弥陀様の誓いがあることを
改めて有難く思います。 今日も関わる全ての人への思いやりの気持ちを忘れずに、
ただただ「なむあみだぶつ」。
合掌 同称十念