法然上人のお弟子達 ~はじめに~

住職三分法話㊾                     令和6年1月1日

 

法然上人のお弟子達 ~はじめに~

 

今年、2024年(令和6年)浄土宗は開宗850年の節目の年です。

1175年(承安5年)法然上人は、「なむあみだぶつ」とお念仏を称えることにより、全ての人が平等に阿弥陀仏に極楽浄土へ救われていく道を説かれました。

浄土宗を開かれた理由について、法然上人は次のように仰っています。

「凡夫(ぼんぶ)(仏教の道理を理解できず、厳しい修行もできない人=全ての人。)が阿弥陀仏の報土(ほうど)(西方極楽浄土)に往生できることを示すため。」と。

言い換えると『全ての人が「なむあみだぶつ」と称えることで、阿弥陀仏により極楽浄土に必ず救われることを示すため』ということです。

法然上人が浄土宗を開く以前の仏教の教えでは、厳しい修行や難しい学問を極めた人しか救われないというのが常識でした。その時代に凡夫でも「なむあみだぶつ」と称えることで救われるという、常識を覆す浄土宗の教えは当時の人々に受け入れられ、850年後の今も広く多くの人の心の支えとなっています。

浄土宗の教えが鎌倉時代当時の一過性の信仰ではなく、850年もの長い間、人々の心の支えとなっているのは、法然上人が開かれた浄土宗の信仰が間違いないものであることはもちろんですが、それだけではなく法然上人から直接教えを受けたお弟子達の真剣な信仰と苦労と努力があったからこそです。

今年はこの『住職三分法話』の中で浄土宗の信仰の大先輩である法然上人の直弟子の方々が法然上人とどのような関りを持ち、どのようにお念仏の信仰を支えに当時を生き抜かれたのかをご紹介しつつ、私自身も浄土宗を信仰の上では法然上人の弟子であることは同じであると受け止め、改めてお念仏の教えを学び、信仰を深めたいと思っています。

法然上人の直弟子は(敬称略)信空、聖光、源智、隆寛、証空、住蓮、安楽、親鸞・・・と浄土真宗の宗祖となった親鸞を除いては一般的にはあまり知られていない僧がほとんどですが、命がけで浄土宗の信仰を貫いた個性豊かな菩薩様方です。

開宗850年の節目の年にその菩薩様方のこと学び直すことに喜びを感じています。

「なむあみだぶつ」 合掌。